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いわく、心にくもりなし。それひたすらに。

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福島の原発事故以来、ニュースでよく見る「線量」。
正直、何だかよく分からん。
ちょっと調べてみた。

ざっくりとまとめると、
「高線量率」「低線量率」は勢いや瞬間の大きさを言っている。
「高線量」「低線量」は、結局トータルでどのくらい大きい蓄積?積算?を言っている。

低線量率
 フツーの、日常程度にごく弱い放射線が来ている状態
   いわゆる一般の生活
   福島も「線量率」という意味では低線量率
高線量率
 フツーじゃない、すごい勢いで放射線がやってくる状態
   レントゲンやCT、広島長崎やチェルノブイリは高線量率

低線量
 日常生活で考えられる程度の放射線蓄積がある状態
   いわゆる一般の生活
   レントゲンやCTはごく短い時間なので、蓄積は低線量
高線量
 日常生活で考えられない程度の大きな放射線蓄積がる状態
   広島長崎やチェルノブイリは高線量

福島は?というと中~高線量。
低線量率高線量、低線量率中線量、ということになる。
ちなみに、やばいイメージのチェルノブイリや広島長崎は高線量率高線量。
(日常生活は低線量率低線量)
(レントゲンやCTは高線量率低線量)

さて。
よく線量の実験などで「危険」と言われているのは高線量率高線量。
言われなくとも危険であろうことは簡単に想像できる。
で、問題となるのは福島の
「低線量率中線量」「低線量率高線量」
は危険なのか?ということ。

放射線被ばくで真っ先に連想する白血病について、
排出放射性物質影響調査サイトのマウス実験によれば、
・低線量率だと発症が遅い。線量率が高いほど早い。
 (マウスだとピークが700日、高線量率だと300日)
・同じ線量を照射した場合の発症率は、高線量率の場合のみ高く、
  中線量率・低線量率では照射してない場合と大差ないと推測
  (中線量率は高線量率の1.3倍照射、発症率は非照射とほぼ同じ)
  (低線量率は高線量率の2.7倍照射、発症率は高線量率を少し上回る)
・低線量率と高線量率では、かかる白血病のタイプが違う
  低線量率は非照射と同じタイプだが、高線量率は別なタイプ。
  高線量率で浴びると、白血病細胞の2番染色体に欠失ができるため。

これを見て素人なりに分かるのは、
「放射線で白血病になるイメージは高線量率のもの」
「低線量率だと、白血病発症の放射線による影響はそれほど大きくない」
「いくら低線量率でも、たくさん浴びまくれば発症の率がそれなりに上がる」

また、日経Web2012/11/8の記事で、
米国立がん研究所や米カリフォルニア大サンフランシスコ校の研究チームによれば、
白血病になった「低線量率低線量のチェルノブイリ作業員」
(年間でなく「積算」で200ミリシーベルト未満の人がほとんど、大半は100未満)
のうち、「16%」が被ばくによる影響だと結論づけた。
逆に言うと、84%は被ばくと関係なく白血病を発症したことになる。
もっとも、11万人中の137人しか白血病になっていないので、
「チェルノブイリ作業員」が白血病になる確率は0.0012%、
およそ1000人にひとりくらい。
その1000人にひとりが、被ばくすると1.19倍、白血病発症率が上がる。
……正直、あまり変わらないと言っていいレベルだと思う。

だがあくまで低線量率「低線量」の話。
むしろこのデータは、必要以上に放射線におびえる一般人向けかと。
積算100ミリシーベルト程度の放射線量では、
特に気にするほどではない、という解釈ができる。
平常時の基準=年間で1ミリシーベルトだと、
被ばくの影響以前にお迎えがいらっしゃるからw

ただ、福島県双葉町が
「年間20ミリシーベルト以下って言われても怖くて住めねーよ」
というのは分かる。
その基準は原発作業員と同じだから。
だいたい、好き好んで原発作業員になりたいやつはいない。
なるにはそれなりの覚悟がいる。
【参考】
国際放射線防護委員会の基準
原発などの作業員は
 「5年間で100ミリシーベルト(20ミリシーベルト/年)」
  かつ「年間最大50ミリシーベルト」
一般人は
 「平常時は年間で1ミリシーベルト」
 「緊急時は年間20~100ミリシーベルト」
 「緊急事故後の復旧時は年間1~20ミリシーベルト」

低線量率高線量の実験においては、
はっきりと明確な「危険」という結果が出ていない。
「低線量率」=ゆっくり、「高線量」=放射能をたくさん蓄積、
ということで、時間を要し、結果をすぐに出せないのは仕方ないとしても、
あくまで「今のところ」大きな問題がない。
(問題がなくはない。とりたてて騒ぐほど大きくない、と言う意味)

危険な結果が出ているのは高線量率高線量ばかり。
チェルノブイリしかり、広島長崎しかり。
だからといって安全である根拠にはならないが、
少なくとも「高線量率」高線量での実験結果では、
「低線量率」高線量の危険さは分からないのではないか?
(少なくとも、白血病の発症タイプが異なるということは確認できた)

たとえば、同じ線量だとしても、
低線量率高線量
  ≒小さじ1杯の塩を、毎日二年間摂取
高線量率高線量
  ≒小さじ100杯の塩を、毎日一週間だけ摂取
「小さじ100杯の塩を、一週間だけ、トータル700杯」
摂取したら死ぬからと言って、
「小さじ1杯の塩を、毎日二年間、トータル700杯ちょい」
摂取したら死ぬ、とは言えない。
そして現在、「毎日小さじ1杯の塩を」
継続して摂取しても、大きな被害は認められない。
(塩の致死量は小さじ5杯~50杯なので、あくまでこれはたとえ話です)

もともと高線量な地域であるインドや中国、イランなどの一部では、
他の地域と比べてどのような健康被害が出ているのか?
一般人より放射線を浴びる機会・時間の多い、
放射線技師、パイロットなどは一般人と比べてどういう病気が多いのか?
そこで重大かつ明らかな健康被害の例がないことを考えると、
「低線量率高線量」では、明確な健康被害が出ないのではないか?
根拠はないが、整理するとそう推論できる。

要するに、
今、実験で「高線量が危険」というデータが出ても、
それは福島とは直接関係ない、ということ。
だからといって「安全」と言い切れるわけでも、
「全然問題がない」というわけではない。
「まだ分からない」というだけのこと。

だからとりあえず「危険!危険!」と不安をあおるのはやめて、
発信者は今回の福島の状況に近いサンプルで語ってほしい。
……マスコミに期待することの意味を純粋に信じられるわけではないが。

今回記事、メインのネタ元はチャイルド・リサーチ・ネットです。

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